緑内障の原因

緑内障の原因とメカニズム

緑内障は、「前房」内の「房水(ぼうすい)」が排出されず、眼球の圧力(眼圧)が高まることが原因で起こります。

「前房」とは角膜と虹彩、そして水晶体の間にある部分。ここには、角膜と虹彩の栄養分となる「房水」という液体が溜まっています。

この房水がうまく循環して排出されれば問題ないのですが、何らかの原因で排出されずそれによって眼圧が高まり、緑内障を発症するリスクが高まるのです。

眼球をサッカーボールに例えると、緑内障の人の眼球はボールに空気が入りすぎてパンパンな状態といえるでしょう。

サッカーボールの場合、圧力を保つのは空気ですが、眼球の場合は「房水」という液体によって圧力が保たれます。

なお、正常な人の眼圧は10~20mmHgですが、21mmHgより上になると緑内障になる疑いがあると診断されることがあります。

開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障

では、前房内の房水がうまく排出されない原因は何でしょうか。

房水を排出するのは「隅角(ぐうかく)」という、排水口のような場所です。この排水口には「繊維柱帯(せんいちゅうたい)」という網目状の組織があります。いわば排水口に取り付けるフィルターのようなものです。

この繊維柱帯が目詰まりを起こして房水が流れにくくなり、眼圧が高まることで緑内障になることがあります。この症状を「開放隅角緑内障」といいます。

開放隅角緑内障もいくつのタイプに分類され、このうち眼圧がそれほど高くないのに症状を訴えるものを「正常眼圧緑内障」といいます。これは、日本人にもっとも多いタイプです。

また、虹彩が隅角を塞ぐことで排出ができない緑内障もあります。これを「閉塞隅角緑内障」といいます。閉塞隅角緑内障の場合、目の痛みや頭痛、発作などが起こりやすいといった特徴があります。

続発緑内障

これまでに紹介した緑内障は、房水の排出機構の異常によるもの、眼圧調整の仕組みが上手くいかなくなることによる緑内障でした。このように、目の異常が緑内障の発症と直結するものでなく、他の病気や怪我などが原因となって、発症する緑内障もあります。

それらを総称して、続発緑内障と呼びます。他の病気に「続」いて「発」症する「緑内障」という意味です。

続発緑内障の原因は、外傷に伴うもの、糖尿病が原因となるもの、白内障やぶどう膜炎などの他の目の病気に伴うもの、ステロイドなど薬剤の副作用によるものがあります。

それぞれの怪我、病気などと、緑内障の因果関係も紹介しましょう。

外傷に伴うもの

頭部に激しい衝撃を受けると、そのはずみで虹彩の付け根が眼球壁から外れ、繊維柱体が正常に機能しなくなることがあります。結果、眼圧があがり、緑内障の症状が見られるようになります。

糖尿病によるもの

糖尿病による合併症の中でも、可能性の高いものの1つに糖尿病網膜症という病気があります。網膜には、光や色を識別するため神経が張り巡らされており、それらの神経に酸素、栄養を供給するために、微細な毛細血管が無数に通っています。血糖が高い状態が続くと、毛細血管が徐々に損傷を受け、神経への酸素供給がままならなくなってきます。

酸素不足になると、それを解消するため、新しい毛細血管が伸びてきます。ところが、この新しい毛細血管が、房水の排出口である隅角まで伸びてしまい、房水の循環が詰まることで眼圧の上昇を引き起こします。これが、糖尿病による続発緑内障のプロセスです。

緑内障以外の目の病気が原因の場合

白内障やぶどう膜炎などの、目の病気が原因で緑内障を発症することがあります。これらの目の病気は、眼球の炎症を伴う場合がありますが、炎症の程度や発症箇所によっては房水の循環の妨げになり、眼圧が上昇することがあります。

薬の副作用によるもの

散瞳薬、睡眠薬、抗うつ薬、副腎皮質ステロイド薬などの薬は、薬の作用で房水の排出を阻害し、眼圧を高める作用を起こす可能性があります。そのような薬を使用していて、目のかすみ、充血、痛み、頭痛、吐き気などを感じた場合には、早期に眼科医の診断を受けることが重要です。

副作用は、薬の使用後数時間で起きる場合もあれば、数週間以上経過して徐々に進行するものもあります。長期間に渡って、これらの薬を使用する場合は、定期的な眼科医の診断を受けることをおすすめします。

参考:医薬品医療機器総合機構:重篤副作用疾患別マニュアル 緑内障(PDF)

発達緑内障

ここまでに紹介した緑内障は、全て後天的な病気によるものですが、まれに先天的な隅角の生育異常が原因で緑内障が発症することがあります。これを発達緑内障と呼び、3万人に1人の発症率と言われています。その原因には、不明点も多いのですが、CYP1B1という遺伝子に変異を認めるケースの報告があります。

治療は薬物で、眼圧を下げることから試みますが、上手くコントロールできないことも多く、手術を要する場合もあります。1度の手術では、成果が見られないこともあり、複数回の手術になる場合もあります。また、手術後も経過観察が必要とされます。

緑内障はどうして起こる?

上記のようなメカニズムで生じる緑内障ですが、ではなぜ起こるのでしょうか。その原因は、いまだ解明されていません。

緑内障は自覚症状があまりない病気で、気が付いたら緑内障だったという患者がほとんどです。このため、どんなことをしていたから緑内障になったという原因まで特定するのが、非常に困難な病気でもあります。

「緑内障は遺伝する」という話もあります。血縁者に緑内障患者がいると、発症率が2倍になるといわれていますが、詳しいことはわかっていません。

緑内障を防ぐには、定期的に検診を受け、早期発見・治療に努めることがいちばん大切です。

緑内障の原因のひとつにはストレスが関係している可能性も

既にご紹介しました通り、緑内障の原因についてはまだ解明されていない部分が多いのですが、そのひとつに「ストレス」があるのではないかと言われています。

そこでここからは、緑内障の原因と言われるストレスの種類とそのストレスを少しでも減らして緑内障を予防、改善する方法について3つご紹介します。

1・眼にかかる負担と予防方法

眼に負担がかかると、緑内障になりやすいと言われています。

例えば、長時間パソコンやスマホ、タブレット端末などの電化製品を見ることや細かい作業をすることで目を酷使すると、涙の出る量が減少しドライアイになります。

このドライアイになると瞼と眼球の摩擦が生じ、眼の負担にもなります。 また、洗浄をこまめに行わずコンタクトレンズを使用したり、度数が合わない眼鏡を無理にかけたりしても眼へ負担がかかりやすいです。

こうした状態が長く続くと眼の血管が収縮して循環が悪くなり、必要な栄養素が行き渡らなかったり、老廃物などが上手く排出されなかったりして、眼圧が上昇、緑内障になる確率が高くなると言われています。

眼にかかる負担やストレスを減らすためには、必要以上にパソコンやスマホなどを見る時間をできる限り減らしましょう。

ただし、仕事などでどうしても長時間パソコンなどを使用しなければならない場合は、画面の色や明るさ、角度を工夫することも忘れないでください。

また、定期的に休憩して、遠くの景色を見るなどをして眼を休ませたり、目薬をさすなどして眼の水分を一定に保つようにしてください。

さらに眼への負担を最大限減らすため、コンタクトレンズや眼鏡は、度数が合う物を選んで使用方法を守り使用しましょう。

2・精神的なストレスとリラックス法

「病は心から」という言葉にもある通り、私達の体の状態は精神に大きく左右されます。

精神的にストレスを感じると、血行の低下や代謝の悪化といった症状が現れることがあります。

こうした状態が長く続くと、眼にも悪影響を及ぼし、緑内障が発症する可能性が高くなります。

精神的なストレスの場合にも十分な質の高い睡眠をとることが肝心です。 もし、十分に睡眠がとれなかった場合は、簡単に眼の周りをマッサージすると、血行が改善されリラックス効果を得ることもできます。

眼の周りを楕円を描くように優しく押してみたり、撫でるように刺激を与えてみてください。

眼の周りには、ツボが集中しており、これだけで高いリラックス効果を得ることができます。

また、マッサージをする際に濡れタオルをレンジで温めた蒸しタオルと冷凍庫などでさっと冷やしたタオルを眼の上に交互に乗せるとより血行促進効果が得られます。

他にも顔にも使えるアロマのマッサージオイルで、マッサージするのも効果的です。

アロマの香りでリラックスしながら緊張状態の心と眼の周りの筋肉を緩やかにほぐすことができます。

3・体へのストレスと改善ポイント

慢性的な疲れや睡眠不足が続き、体に負担がかかるのも緑内障になりやすいと言われています。

私達の体は緊張したりストレスを感じたりすると、交感神経が働きます。 交感神経が働くと体の血管は収縮し、血圧が上昇、涙の量も少なくなり、瞳孔が大きくなるといった反応が現れます。

こうした状況が長く続くと当然、眼にかかる負担が大きくなり、自律神経のバランスも崩れ代謝が悪くなることから眼圧が上がりやすくなってしまうのです。

そのため、できる改善方法としては、可能な限り規則正しく健康的な生活を送り、体への負担を減らすことです。

特に、十分な睡眠時間を取ることが大切ですが、長時間寝れば良いものではなく、7時間〜8時間で質のよい睡眠をとることが重要です。

そして、バランスの良い食事を心がけることも大切です。 眼の健康を保つサポートをしてくれることで有名で、ブルーベリーなどに多く含まれる「アントシアニン」やナッツなどに多く含まれ、代謝を促進してくれる効果のあるビタミンB類などをバランスよく取り入れると良いでしょう。