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緑内障で処方される薬品

緑内障治療は点眼薬(目薬)がメイン

緑内障の治療にもっとも多く用いられる薬品は、点眼薬(目薬)です。

この点眼薬は緑内障のタイプや進行状況などによって使用する商品が異なり、現在10種類以上の薬が提供されています。

点眼薬のタイプを大別すると、次の2つになります。

  • 房水の排出を促すタイプ

→プロスタグランジン製剤(PG製剤)、交感神経刺激薬などが含まれる点眼薬

  • 房水の量を抑えるタイプ

→炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)、β遮断薬などが含まれる点眼薬

房水(ぼうすい)とは、水晶体など目の器官に栄養を与えるほか眼圧に影響を与える液体で、眼圧を下げるには房水の排出を促進させるか、そもそもの生産量を抑えるかという方法になります。

なお、緑内障治療薬には点眼薬のほかにも内服薬(飲み薬)もありますが、副作用が強い場合もあって、用いられるケースは少ないようです。

点眼薬の使用方法と注意点

点眼薬の使い方は、通常の目薬とほぼ同じです。使用手順は以下の通りです。

  1. 1滴だけ点眼する
  2. 目を閉じて目頭を軽く押さえる
  3. 点眼薬が目からこぼれたら拭き取る

「2.目を閉じて目頭を軽く押さえる」のは、点眼薬を眼球全体に染み渡らせる(こぼれ出ないようにする)ためです。

通常の点眼薬と違って、緑内障の薬は自律神経に働きかけるものもあります。商品によっては涙が出やすくなり、点眼薬の成分が流れ出ることもあります。

点眼後は2分ほど、目頭を押さえるようにしましょう。

また、「3.点眼薬が目からこぼれたら拭き取る」のは、副作用を防ぐ目的があります。

特に房水の排出を促すプロスタグランジン製剤を含んだ点眼薬は、まぶたの黒ずみやまつ毛が太くなるといった副作用が確認されています。こぼれた点眼薬は、すぐに拭き取るようにしましょう。

複数の点眼薬を使用する際は3~5分の間隔を

1種類の点眼薬で効果がみられないときは、2種類以上の点眼薬を処方されることがあります。症状によっては、4~5種類の点眼薬を使用する人もいるようです。

この場合、3~5分の間隔をあけてからさすようにしましょう。続けざまにさすと、先にさした点眼薬の成分が洗い流され、効果が薄くなってしまいます。

また、一度に多くの点眼薬をさすと、頭痛やめまいといった副作用が生じるおそれもあります。

複数の点眼薬を使用する際は、必ず間隔をあけるようにしましょう。

緑内障治療で効果が期待できる8つの点眼薬一覧と作用・副作用

ここからは、緑内障治療で使用される中でも効果が高いと言われている点眼薬の種類とそれぞれの作用や副作用についてご紹介します。

1・プロスタグジンジン製剤

  • イソプロピルウノプロストン(レスキュラ)
  • キサラタン(ラタノプロスト)
  • タプロス(タフルプロスト)
  • トラバタンズ(トラボプロスト)
  • ルミガン(ビマトプロスト)

緑内障治療の目薬の中でもかなり効果が高く、房水の排水をぶどう膜強膜経路にて促す効果があります。

副作用としては、まつげが増えたり、瞼が黒ずんだり、瞼がへこんだり、光彩の色素沈着といった症状が出ることがありますが、重篤な物は少ないと言われています。

また、ヘルペスウイルス潜在や気管支喘息、ぶどう膜・虹彩炎などの症状がみられる方や眼球内にレンズを挿入している場合や妊娠、授乳されている方の使用の際には注意が必要。

2・β遮断薬

  • ミケラン(カルテオロール塩酸塩)
  • ミケランLA(カルテオロール塩酸塩)
  • チモプトール(チモロールマレイン酸塩)
  • チモプトールXE(チモロールマレイン酸塩)
  • リズモンTG(チモロールマレイン酸塩)

β受容体の作用を遮断して房水の生成を減らす効果があります。

眼への刺激やかゆみなどを感じることがあり、心臓、気道に影響し、ぜんそくや脈が少なくなるといった症状が出ることもあるので、ぜんそくの症状がある方には使用できません。

3・β遮断薬+プロスタグジンジン等の合剤

  • ザラカム(ラタノプロストとチモロールマレイン酸塩)
  • タプコム(タフルプロストとチモロールマレイン酸塩)
  • デュオトラバ(トラボプロストとチモロールマレイン酸塩)

房水の排水をぶどう膜強膜経路にて促し、β受容体の作用を遮断して房水の生成を減らす効果があり、緑内障治療の目薬の中でもかなり効果が高いものです。

副作用は、プロスタグジンジン製剤と同様にまつげが増える、瞼が黒ずんだり、瞼がへこんだり、光彩の色素沈着といった症状が出ることがあります。

また心臓、気道に影響し、ぜんそくや脈が少なくなるといった症状が出ることもあるので、ぜんそくの方や心臓に疾患がある方には使用できません。

4・αβ遮断薬

  • ハイパジールコーワ(ニプラジロール)
  • ニプラノール(ニプラジロール)
  • ミロル(レボブノロール塩酸塩)

房水の生成を抑え、房水の排水をぶどう膜強膜経路にて促します。眼への刺激やかゆみなどを感じることがあり、β遮断薬と同様に心臓、気道に影響し、ぜんそくや脈が少なくなるといった症状が出ることもあるため、ぜんそくや心不全などの症状がある方には使用できません。

5・β遮断薬+炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)

  • アゾルガ(ブリンゾラミドとチモロールマレイン酸塩)
  • コソプト(ドルゾラミド塩酸塩とチモロールマレイン酸塩)

房水の生成を抑える。β遮断薬が入っているため、同様に眼への刺激やかゆみなどを感じ、心臓、気道に影響するため、ぜんそくや脈が少なくなるといった症状が出ることもあります。

ぜんそくや心臓に疾患がある方の使用はできません。

6・α2遮断剤

  • アイオピジンUD(アプラクロニジン)
  • アイファガン(ブリモニジン)

房水の生成を抑え、房水の排水を促します。副作用としては、瞳孔が開いたままになる散瞳(さんどう)、結膜炎、結膜蒼白、瞼が引きつるといった症状が出ることがあり、鼻や口に乾燥を感じることもあります。

モノアミン酸化酵素阻害剤を投与している方には使用できず、心血管関連の疾患や血管迷走神経発作が過去または現在ある方は注意が必要です。

7・交感神経刺激薬

  • ピバレフリン(ジピベフリン塩酸塩)

 房水の生成を抑え、房水の排水を促します。散瞳や結膜炎アレルギーが発症することがあり、また鼻や口の乾燥を感じることもあります。

 眼圧上昇の症状があることは使用できません。また、動脈硬化や心臓疾患、高血圧、糖尿病、甲状腺機能亢進症などがある方は使用に注意が必要です。

8・炭酸脱水酵素阻害剤(CAI)

  • エイゾプト(ブリンゾラミド)
  • トルソプト(ドルゾラミド塩酸塩)

炭酸脱水酵素を阻害し、房水の生成を抑えます。眼のかゆみや刺激、充血などを感じることがあるが、重篤な物は少ないと言われています。

腎障害のある方には使用できず、肝障害のある方には注意が必要です。